頭が締め付けられるような痛み(緊張型頭痛の特徴)とたまにズキンズキンする強い痛みや吐き気がある(片頭痛の特徴)場合のどちらも感じられる場合があります。
片頭痛と緊張型頭痛では対処法が異なるため、痛みが出やすい傾向を記録をとることによって慌てずに 対処できるでしょう。
飯山 隆茂
気象予報士/健康管理士
気象予報士として25年以上にわたり気象情報の提供に従事。頭痛ーる開始後からサービス追加に関わり、健康管理士取得後は気象と健康の両面から健康管理の普及に努める。
頭が締め付けられるような痛み(緊張型頭痛の特徴)とたまにズキンズキンする強い痛みや吐き気がある(片頭痛の特徴)場合のどちらも感じられる場合があります。
片頭痛と緊張型頭痛では対処法が異なるため、痛みが出やすい傾向を記録をとることによって慌てずに 対処できるでしょう。
飯山 隆茂
気象予報士/健康管理士
気象予報士として25年以上にわたり気象情報の提供に従事。頭痛ーる開始後からサービス追加に関わり、健康管理士取得後は気象と健康の両面から健康管理の普及に努める。
頭痛ーる担当の気象予報士・健康管理士の飯山です。
頭痛ーるを利用していただいている方から、「頭痛ーるのアラートと痛みが合わないときがあるけど、どうして?」とご指摘をいただくことがあります。
頭痛ーるは気圧を中心とした気圧変化に伴って発生する頭痛等の痛みの起こりやすさを予報していますが、気象変化以外にも頭痛を引き起こすさまざまな要因があるのです。
日本頭痛学会は片頭痛を誘発する要因(因子)について精神的因子、内因性因子、環境因子、食事性因子に分けてまとめています。
分類 | 要因 |
---|---|
精神的因子 | ストレス、精神的緊張、疲れ、睡眠不足 |
内因性因子 | 月経周期 |
環境因子 | 天候の変化、温度差、頻回の旅行、臭い |
食事性因子 | 空腹、アルコール |
また、アメリカでの調査によると、片頭痛患者の約80%がストレスが頭痛の要因となり、続いて女性ホルモンが約65%、空腹が約57%、天気が約53%、睡眠障害が約50%という報告があります。
気象変化が頭痛の要因となる割合は個人差がありますが、気象変化以外の要因にも注意する必要があります。
気象以外の要因としてストレスの比率がかなり高くなっていますので、頭痛ーるでアラートが出ていない時に頭痛がしている場合は、ストレスを感じることがなかったか、寝不足になっていないか、疲労が出ていないかなど、誘発因子に該当する事項がなかったか思い浮かべてみてください。
もし該当する事項があれば、頭痛の発生に影響している可能性があります。
続いて、各要因についてみていきましょう。
月経周期は頭痛の誘発因子で、女性ホルモンのエストロゲンが片頭痛に関連していると考えられています。
エストロゲンの分泌量は月経周期に伴って大きく変化し、排卵日と月経前に急激に低下します。この急激な低下が片頭痛を引き起こすのではないかと考えられています。
月経の際に頭痛が起こることが多いか記録を付けて確認することをお勧めします。
血糖値は血液中のブドウ糖の濃度のことで、私たちの体には血糖値を正常に保とうとする機能が備わっています。このため、血糖値が高すぎても低すぎても体に影響があります。
空腹は血糖値が下がっている状態で、血糖値が下がると、血糖値を上昇させるホルモンが分泌されます。このホルモンは同時に心拍数の上昇や脳の覚醒といった作用があるため、脳の血管が過度の収縮が片頭痛の原因になると考えられています。
ダイエットのためなどで朝食を食べずに出かけて頭痛が発生することがありますので、空腹は避けるようにしてください。
アメリカの調査でストレスが片頭痛の最も高い誘発因子であると報告されています。
ストレスの状態を引き起こすものをストレッサーといい、次のように分類されます。
分類 | 要因 |
---|---|
物理的ストレッサー | 寒暖の変化、騒音、高低温による刺激など |
社会的ストレッサー | 経済情勢の変化、人間関係など |
心理的・情緒的ストレッサー | 緊張、不安、悩み、焦り、寂しさ、怒り、憎しみなど |
生理的・身体的ストレッサー | 疲労、不眠、健康障害といった生理的、身体的状況の変化など |
ストレッサーとして上げられている心理的・情緒的ストレッサーの緊張や生理的・身体的ストレッサーの疲労、物理的ストレッサーの寒暖の変化は片頭痛の誘発因子になっています。つまり、緊張や疲労、寒暖の変化はストレスの原因となり、頭痛の要因にもなっています。
私たちの体は、体の働きを調節する「自律神経」とホルモンの分泌をつかさどる「内分泌」、外部から侵入する異物からを守る「免疫」の3つの働きがバランスを保ち、自らの体を環境に適応させ健康を維持しています。
しかし、ストレッサーが長期にわたって加わり続けると、自律神経のうち交感神経に負担がかかり、内分泌のストレスに対する防御が限界を超え、免疫の働きが弱まり、体に不調が全身に現れるようになります。
自律神経は自らの意思とは無関係に生命を維持するためのさまざまな働きを制御する役割を持ち、例えば、呼吸や血圧、体温、発汗などは自律神経が調節しています。
自律神経にはストレッサーに反応して身体機能を働かせる命令を出す交感神経と、身体機能を元の状態に戻そうとする副交感神経があります。
緊張状態にある時は、交感神経の命令により、心拍数が増加し、血管が収縮して血圧が上昇し、脳血管が拡張するなどの反応が現れ、体を活発な状態を保つように働きます。
頭痛の誘発因子となっているストレス状態で交感神経が働いている状況が長時間続かないようにコントロールして、ストレスの解消を心がけることが、頭痛の発生を防ぐことにつながります。
ストレスにより心が緊張している時は、体も緊張していますので、心と体をリラックスさせるのが効果的です。リラックスしている時は、副交感神経が主に働いている状態で、心拍数は低下し、血管は拡張して血圧は低下し、身体機能は穏やかな状態に戻ります。
①十分な睡眠
心身の疲れの回復やストレスを翌日に持ち越さないようにするためには、十分な睡眠が不可欠です。十分な睡眠は睡眠時間よりも眠りの深さが重要で、起きたことの爽快感からぐっすり眠れたかどうかが判断できます。
長時間寝ても目覚めが悪ければ、眠りの質としては不十分ということもあります。
ストレスの多い生活をしていると、夜になっても昼間の緊張感や興奮状態が続き、寝付きが悪いことや眠りが浅いことなどで、すっきり目覚めることができなくなります。
睡眠不足は頭痛の要因となっていますが、さまざまな健康障害につながります。
ストレスに耐えるために欠かせないホルモンは朝に最も多く分泌され、夜にかけて少なくなりますので、夜遅くまで起きていることがストレスに弱い体を作り出していることになります。
また、ぐっすり眠れないことにより、疲労回復を促すホルモンが十分に分泌されなくなり、翌日も疲労感を感じるようになります。
眠りにつく時間が不規則になっていると生活のリズムを乱し、睡眠にも影響しますのでなるべく毎日同じ時刻に寝るようにするのが大切です。
②ゆっくりと入浴
入浴は優れた心の疲労回復剤でもあり、次のような効果があります。
・皮膚を清潔にする
・血行をよくして新陳代謝を活発にする
・筋肉のこりや痛みを和らげる
・神経の緊張をほぐしてリラックスさせる
入浴は就寝前に38~40℃のぬるめの湯にゆっくりと浸かれば快適な睡眠も期待できます。
③音楽
音楽には心を鎮めストレスを軽減する効果があり、音楽で心を治療する音楽療法というのもあります。
音楽療法とは脳波の動きを考慮して音楽の波動で脳波の波動を変化させ、気分を変えてリラックスできるようにするものです。
スローテンポな曲は脳波に作用してリラックスさせるのに適しています。最も推奨されているのは「クラシック音楽」ですが、自分の好みの曲を聴いて気分が良くなったり、カラオケで大声で歌って気分転換するのも良いようです。
④腹式呼吸
心の状態は呼吸の仕方に反映され、心身が緊張状態にあると呼吸は浅く短くなります。この原理を利用して、深くゆったりした腹式呼吸を繰り返すことで、以下のような効果があります。
・副交感神経の働きが高まってリラックスすることができ、自律神経のバランスを整える効果がある
・脳内で気持ちを落ち着かせるホルモンの分泌を促す効果がある
・副交感神経が働くことで、リンパ球が活性化されて免疫力が高まる効果がある
⑤食生活
欠食や暴飲暴食、偏食は余計にストレスをかけてしまいます。また、空腹は頭痛の要因となっています。ストレスを和らげる食生活には以下のようなポイントがあります。
・1日3食を規則正しい食習慣を行う
・朝食はできるだけ決まった時間に取る
・夕食は就寝2時間前には済ませる
・よく噛んで食べる
・会話を楽しみながら食べる
・ビタミンとミネラルを積極的に取る
・暴飲暴食をしない
【ストレスに強くなるビタミンやミネラル】
栄養素 | 主な働き | 多く含まれる食品 |
---|---|---|
βカロテン | ストレスに対する抵抗力を高める | レバー、あんこうきも、うなぎ、緑黄色野菜 |
ビタミンB1 | 神経の働きを正常にし、活性化させる | 豚肉、うなぎ、大豆、玄米、そばなど |
ビタミンC | 体の抵抗力をつけ、心身の安定をはかる、ストレスで減少しやすい | 果物、野菜、いも類など |
カルシウム | 「天然の精神安定剤」と言われ、不足すると不眠やイライラを招く | 乳製品、煮干し、干しえび、小松菜、水菜など |
カリウム | 神経過敏を抑える | 野菜、果物、いも類など |
マグネシウム | 気持ちを鎮静化し、イライラや神経過敏、不安を抑える | 豆類、種実類、穀類、海藻類など |
⑥運動
体を動かすことで全身の血液循環が良くなり、脳内の血液の流れも良くなります。運動は頭をすっきりさせて良い気分転換になり、情緒の安定に大きな効果があります。また、運動は生活習慣病の予防にも効果があります。
適度な運動は心身ともに健康でいるために必要不可欠です。散歩やサイクリングなど軽く汗を流すことを生活の一部にすると長続きできます。
毎日ではなくてもなるべく体を動かすことが健康管理につながりますので、体を動かすことを心がけてください。
頭痛等の痛みが発生した際に、ストレスや寝不足、疲労、生理などの体の状態に関することも併せて記録することで、気象変化以外についての関係を探ることができると思います。
また、日々の生活スタイルを見直すことが頭痛の発生を抑えることにつながると思いますので、体調管理を行っていただければと思います。
【参考文献】
日本頭痛学会 慢性頭痛の診療ガイドライン2013 Ⅱ片頭痛
日本医協学院 健康管理士テキスト 心の健康管理
Kelman I The triggers or precipitants of the acute migraine attack. Cephalalgia 2007
飯山 隆茂
気象予報士/健康管理士
気象予報士として25年以上にわたり気象情報の提供に従事。頭痛ーる開始後からサービス追加に関わり、健康管理士取得後は気象と健康の両面から健康管理の普及に努める。
女性に多いと言われる頭痛持ち。特に片頭痛は有病率の男女差を見ても、男性より女性の方が3.6倍多く、比較的女性に多い疾患と言えるでしょう。30代の女性では5人に1人が片頭痛持ちともいわれています。
出典:Sakai F, & Igarashi H, Cephalalgia 1997
早いと10代の頃から発症しているケースもあり、婦人科で拝見していると、10代の若年時からひどい片頭痛がある方は、月経痛や※1起立性調節障害などの他の不調も同時に出ているパターンが多く見受けられます。
(※1 起立性調節障害:自律神経系の異常で循環器系の調節がうまくいかなくなる疾患。だるさやめまい、頭痛などで起きられないなどの症状)
片頭痛の増悪因子としては、ストレスや過労、睡眠不足などのがあげられていますが、女性の場合は月経周期にともなって症状が悪化する方もいます。
これは、頭痛と女性ホルモンの1つであるエストロゲン(卵胞ホルモン)が関連しているからです。
このホルモンの濃度が「下がる」時に片頭痛が引き起こされやすくなります。おそらくは、エストロゲンの「血管の壁」への作用が関与していると思われますが、詳しいメカニズムは分かっていません。
エストロゲンは月経周期の中で、「いったん上がり、下がる」時期が2回あります。
1回目が排卵の時期。2回目が月経直前から月経初日にかけてです。
この2つの時期には、エストロゲンが「下がる」という現象が起きるので、その時期に一致して片頭痛が起きやすくなるのです。
月経周期と伴って頭痛が出ていると感じたら、まずは基礎体温の記録と、周期と頭痛の時期の連動性を確認してみるとよいでしょう。
比較的女性に頭痛が多い理由として、片頭痛以外にも月経周期と連動して頭痛が出やすいことが挙げられます。
月経周期と連動して出現する頭痛は、主に3種類あります。
の3パターンです。
いずれか1つだけとは限らず、片頭痛と月経困難症や月経前症候群が混在することもあります。
月経困難症は、月経中に下腹部痛や腰痛などが出現して日常生活に支障が出る病気ですが、腹痛だけでなく頭痛・吐き気・嘔吐・下痢などの随伴症状が出る場合があります。
月経困難症による頭痛の場合は、月経中だけに頭痛が起きて他の時期には症状がみられません。
主に、子宮内膜がはがれる時に多量に分泌されるプロスタグランジンという痛みの伝達物質が悪さをして痛みを引き起こします。
プロスタグランジンは、痛みを伝えるだけでなく、血管や腸の壁の筋肉にも作用してしまうため、血行が悪くなったり、腸の動きが過剰になったりして、立ちくらみ・吐き気・下痢・頭痛などの症状を引き起こします。
月経前症候群は、排卵後から月経直前までの時期に頭痛・腹痛・めまい・むくみ・イライラ・抑うつ・過食などの様々な症状が出現します。
この時期だけに頭痛が起きていたり、頭痛以外にもむくみや吐き気などの症状があり、月経開始とともに楽になる場合は月経前症候群の可能性が考えられます。
月経前症候群の原因ははっきりと解明されていませんが、排卵後に多量に分泌されるプロゲステロン(黄体ホルモン)が症状を引き起こしているのではないかと言われています。
片頭痛の月経周期増悪は、前述の通り主にエストロゲン(卵胞ホルモン)という女性ホルモンの影響を受けて出現します。
片頭痛の場合は、月経周期だけではなく、気圧の変動や心身の疲労状態にもよって症状が増悪しますので、必ずしも月経周期ときれいに連動しない場合もあります。
頭痛がどのパターンで出現しているのか、月経周期との連動性があるのかは、基礎体温と一緒に頭痛やそのほかの心身の状態を記録してみると明らかになります。
頭痛に対する対処法は、月経周期のどの時期に起きているのかと、ベースが筋緊張型頭痛なのか片頭痛なのかによって異なってきます。
自分の頭痛が片頭痛なのか筋緊張型頭痛なのかよくわからない場合や、頭痛の程度がひどく市販の痛み止めも効かない場合は、まずは脳外科または頭痛専門外来で頭痛の鑑別診断を受けることをお勧めします。
特に、頭痛の程度がひどい・めまいや吐き気を伴う・目の見えにくさや異臭を伴う、といった場合、脳の器質的な疾患が隠れている場合もあります。片頭痛の月経前増悪だと思ったら、脳腫瘍だったというケースもありますので、頭痛以外の症状も伴う場合は1度は脳外科で詳しい検査を受けた方がいいでしょう。
月経周期と連動した頭痛の場合は、ピルを服用することで症状が軽減する場合があります。ピルは排卵を抑えることでホルモンの波をフラットな状態に保ってくれますので、エストロゲン(卵胞ホルモン)が「下がる」ことがほとんどなくなります。
前兆を伴う片頭痛の場合はピルが飲めませんが、ピルの禁忌事項に当てはまっていなければ試してみるとよいでしょう。
ピル以外の頭痛の治療法としては、漢方薬や筋肉をほぐす薬をつかったり、普通の鎮痛剤での対症療法になります。ひどい片頭痛の場合は、頭痛専門外来で予防薬の処方を受けたり、片頭痛に有効な漢方を予防的に服用してみるとよいでしょう。
月に10日以上、頭痛に対して痛み止めを使っている場合、薬物乱用性の頭痛を引き起こしてしまう可能性もあります。痛くて痛み止めを使うと余計に頭痛が起きるという悪循環になりますので、自己判断で市販薬を使わず有効な薬を処方してもらった方がベターです。
女性に起きやすい頭痛は、毎月のホルモンの変動だけでなく、ライフサイクルの中で起こるホルモンの変動によっても引き起こされやすくなります。
ライフサイクルの中で、ホルモンが大きく変動するのが妊娠した時と出産直後、そして更年期です。
妊娠初期には、急激に多量の女性ホルモンにさらされますので、頭痛が起きやすくなります。妊娠中は、使用できる鎮痛剤が限られてきますので、漢方などで代用する必要があります。
出産直後は、今度はホルモンが急激に下がるため、それに伴う不調が出ることがあります。また、産後の授乳期は抱っこや授乳時の首・肩への負担によって筋肉のコリが起きやすくなります。授乳期は薬を控えがちですが、一般的な頭痛薬は飲んでも問題ありません。
また、首や肩の体操をしたり、目をできるだけ使わないようにすることである程度、筋肉の緊張を緩和できますので、助産師さんに対処法を相談してみるのもお勧めです。
一口に「頭痛」と言っても原因はいろいろあり、対処法も異なってきます。痛み止めを飲む回数が増えてきたなと思ったら、頭痛専門外来や婦人科で相談してみることをお勧めします。
清水 なほみ
2001年広島大学医学部医学科卒業
広島大学附属病院産婦人科・中国がんセンター産婦人科・ウィミンズウェルネス銀座クリニック・虎の門病院産婦人科を経て、2010年9月「ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~」を開業
日本産科婦人科学会専門医
日本不妊カウンセリング学会認定カウンセラー
以下のような、いつもと違う症状があらわれたら、危険な病気が潜んでいるかもしれません。なるべく早目に病院で受診しましょう。
・突然の頭痛
・今まで経験したことのない頭痛
・いつもと様子の異なる頭痛
・頻度と程度が増してくる頭痛
頭痛持ちの方も、これまでに感じたことのない強い痛みとなるため違和感を覚えます。症状としては殴られたような頭痛とともに、激しい吐き気や嘔吐しやすい傾向となります。
くも膜下出血になった場合、脳卒中の中で最も死亡率が高いといわれています。病院にたどりついても、麻痺が残ったり、寝たきりになったりと後遺症が残る方も少なくありません。ピークは50~60代と言われていますが、比較的若い人にも起こりやすいため、何か違和感を感じた場合は頭部のCT検査を受診しましょう。
頭蓋内の圧力の関係で生じやすいため、夜寝ている時や起床時に頭痛が起こりやすいといわれています。毎朝のように頭痛が生じるようであれば、検査を受けるようにしましょう。
腫瘍のできる位置によって頭痛だけでなく吐き気や・嘔吐を伴ったり、目が見えなくなったり、手足の痙攣といった症状もみられます。
脳内の血管が破れることにより、血液の塊が脳の中にできます。その塊が脳を圧迫するため頭痛が強くなります。頭痛以外の症状として、同時に意識傷害、吐き気や嘔吐、手足の痙攣などを伴う事があります。違和感を感じられた場合は一刻も早く医療機関を受診しましょう。
脳を包んでいる髄膜に細菌やウィルスが入り、炎症が起きる病気です。激しい痛みの他に、高熱や倦怠感、吐き気や嘔吐等の症状がみられます。また、首から後頭部にかけて 硬くなり、曲がらなくなることもあります。治療が遅れると、意識障害など脳に後遺症が残ることがあります。
頭の中の血管が詰まる事により生じる疾患で、場所によや大きさにより、症状が異なりますが、延髄に起こる頻度が高く、頭痛とともに、手足のしびれや麻痺・めまいやふらつき・声のかすれや物を飲み込みにくい等の身体機能や意識障害を感じた場合は、神経内科など脳神経外科のいる病院を受診しましょう。
高齢者や飲酒を好む方は脳が委縮していく傾向にあります。このような方が、頭部の外傷によって出来た血液の塊が、脳を刺激することによって症状が起こります。頭部の外傷後間もなく同じような頭痛が起きるとともに、嘔吐や吐き気もあって、半身の手足のしびれや麻痺がある場合には医師の診察を受けるようにしましょう。早目に気がつかれる場合は、手術などでよくなる事が多いです。
頭部に外傷を生じた場合に、当日は何事もなくても翌日以降に頭痛が突然起きる場合があります。特にスポーツなどで外傷を知らず知らずに受けている方は要注意です。例えば、ラグビー・サッカー―・柔道・ボクシングなどの練習を重ねている方で違和感を感じたら、頭蓋内出血の可能性もあるため医師の診察を受けるようにしましょう。
【参考サイト・文献】
■きょうの健康『頭痛 あなたの疑問に答えます!』NHK健康ホームページ(2013年
2月現在)
■第42回 日本頭痛学会総会 市民公開講座 講演記録
■日本神経学会・日本頭痛学会 監修 『慢性頭痛の診療ガイドライン2013』
■日本頭痛学会・国際頭痛分類委員会 訳 (2014)『国際頭痛分類第3版beta版』
■日本頭痛学会HP
雨の日は赤ちゃんのギャン泣きが止まらない、台風が近づくと子どもが機嫌が悪くてグズグズする……。そんな経験はありませんか?
もしかしたら、それは天気や気圧の差が関係している可能性があります。
赤ちゃん期~子ども期は、環境の変化に対応する自律神経が整っていません。
これにより、気圧や天気の変化の影響を大人よりも受けやすく、「なんだか落ち着かない」「強い不安感がある」と感じやすいのです。
しかし、赤ちゃんや子どもは、そのことを言葉で訴える術をもっていません。そのため、泣いて機嫌が悪いという状態になります。
また気圧が下がると頭痛がするというのも赤ちゃんや子どもにも起こる症状です。
電車に乗ったら突然、赤ちゃんが泣き出した……。そんな光景を目にしたことはないでしょうか。
環境の変化に反応して泣いているのかもしれませんが、もしかしたら、微妙な気圧変化に反応している可能性があります。
小さい子ども、特に赤ちゃんは、耳管が大人に比べて短く真っすぐなため、気圧の影響を受けやすくなります。
日常生活の中で、赤ちゃんや子どもが気圧変化を感じる場所は、電車内だけではありません。トンネル・地下鉄・飛行機なども気圧が変わりやすい場所です。
特に、赤ちゃんは耳管の形状特性により、飛行機に乗った際に中耳炎になりやすいので、注意してください。
赤ちゃんを飛行機に乗せる場合は、耳管が通りやすくなるように授乳をするとよいでしょう。
また、ある程度の年齢(※1)の子どもが飛行機に乗る場合は、着陸前にガムを噛んだり、飴を舐めさせたり、こまめに水分を摂ったりするようにしましょう。自然と耳管が開き、気圧変化の影響を最小限にすることができます。唾を飲み込むという行為でも構いません。
「何をやっても子どもの機嫌が戻らない……」
そう思った時には、気圧変化を思い出してみてください。
もしかしたら気圧の変化を感じてつらいのかも……ということを頭に入れておくと、一緒にいる親や大人の気持ちが楽になるかもしれません。
(※1 丸のみする危険性が低い年齢のお子様には注意が必要です。保護者管理の元、お子様の成長に合わせて判断してください。)
舟久保 恵美
慶應義塾大学医学部神経内科非常勤講師/医学博士/保健師/健康気象アドバイザー
名古屋大学環境医学研究所にて、天気と痛みの関係について研究し、医学博士号を取得。
日本で唯一の低気圧頭痛を専門にする産業保健師(現在、内田洋行グループ企業の従業員の健康管理を行っている)。
目の奥がえぐられるような耐えがたい強い痛みがあり、目の充血や涙・鼻水等の症状があらわれる群発頭痛。
痛みの原因や群発頭痛が起きた時の対策や予防法などについて、舟久保恵美先生に解説していただきます。
群発頭痛は片頭痛や緊張型頭痛とメカニズムが全く違うものです。
男性の方に多いと言われていますが、そのメカニズムなどはまだはっきりと解明されておらず研究段階です。
群発頭痛は片頭痛や緊張型頭痛と対処法も異なります。
群発頭痛は通常の鎮痛薬は効きませんので、できるだけ早く病院に行き、適切な治療法やアドバイスを受けて、対処法を身に着けていく必要があります。
酸素吸入が効果的で、在宅酸素療法の保険適用が承認されましたので、頭痛専門医を受診してください。
原因はわかっていませんが、病院で頭痛の予防薬を処方してもらうことが一番効果的です。
医師と相談しながら、頭痛発作が起こりやすい時期など、ご自身の症状を理解して発作に備えましょう。
舟久保 恵美
慶應義塾大学医学部神経内科非常勤講師/医学博士/保健師/健康気象アドバイザー
名古屋大学環境医学研究所にて、天気と痛みの関係について研究し、医学博士号を取得。
日本で唯一の低気圧頭痛を専門にする産業保健師(現在、内田洋行グループ企業の従業員の健康管理を行っている)。
主に体のコリや緊張で血行が悪くなることで引き起こされる緊張型頭痛。
痛みの原因や頭痛が起きた時の対策や予防法などについて、舟久保恵美先生に解説していただきます。
身体的なストレスとして、長時間のデスクワークや車の運転などのように、同じ姿勢を続けた事によって、血行が悪くなり首や頭の筋肉が緊張し、頭痛が起こりやすくなります。
血行が悪くなると血流が悪化するため、肩や首を冷やしすぎない事も大切です。
また、枕の高さが合わない事も首の筋肉の負担が大きくなりますので一度見なおしてみましょう。
身体的な面だけでなく、精神的なストレスを抱えやすい真面目で神経質なタイプに多いのも特徴です。現代社会の問題点として挙げられる人間関係や仕事のプレッシャー、悩みなどで神経や筋肉が緊張する事によっても頭痛が引き起こされることがありますので、注意が必要です。
頭痛の種類によって、正しい対処法、間違った対処法があるのをご存知でしょうか。
詳しく解説して頂きます。
片頭痛(痛みのある時) | 緊張型頭痛 | |
耳マッサージ | 〇 | 〇 |
整骨院・鍼灸 | × | 〇 |
冷やす | 〇 | × |
温める | × | 〇 |
運動 | × | 〇 |
お酒 | × | 〇 |
カフェイン | △ | 〇 |
光を避ける | 〇 | 〇 |
耳せん | 〇 | 〇 |
アロマ | × | 〇 |
食事をとる | 〇 | 〇 |
内耳に気圧のセンサーがあると考えられますので、耳の周囲の血流を良くする事は、どの型の頭痛にも良いと思います。
気圧が下がる前にやっておくと良いと思います。
緊張型頭痛の場合は血流がよくなると頭痛がおさまるので、マッサージや鍼灸は良いと思います。
緊張型頭痛の方は冷やすより温める方が良いでしょう。
血流がよくなることで頭痛がおさまります。
軽い体操やストレッチで血流を良くするので良いと思います。軽い運動は頭痛予防にもなるので、日常的なケアとして行うことをおすすめします。
お酒はリラックス効果、また血流が良くなります。
ただ、お酒には利尿作用があるので、たくさん水を飲むようにしましょう
少量のお酒を飲むのは良いと思いますが、くれぐれも飲みすぎには注意しましょう。
カフェインで良くなる人もいれば、悪くなる人もいます。
カフェインの覚醒作用のため脳の血流が改善するという点では効果があると思います。
また、コーヒーは利尿作用があるので体が水分不足になる可能性があります。
熱中症の時も同じで、体から水分が少なくなると頭痛が起きやすくなります。
スッキリするくらいの量におさえた方が良いでしょう。
緊張型頭痛の場合、光はとの因果関係があるとは言われていませんが、目の疲れから頭痛が誘発されるおそれがあります。
長時間テレビやスマホ、パソコンのモニターを見ていると頭痛が起こる可能性があるので注意が必要です。
飛行機に乗るときに着けておくと、耳への気圧の変化が緩やかになるこという効果はあります。
普段の生活の中でエレベーターに乗って気圧差を感じる方もいるので、気になる時にはつける、というふうにお守り程度に持っておくと安心かと思います。
アロママッサージで血流を良くする、またリラックス効果としてはアロマを炊くのは良いと思います。
自分が心地よいと思える好きな匂いを知っておくと良いでしょう。
お腹が空くと血糖値が下がって頭痛が起こる方は結構多いです。
自分がそのタイプだと気が付くことが大事です。
頭痛に良い食べ物でとしては、マグネシウムや亜鉛が入っている海藻類などがおすすめです。
入浴等で首や肩の周りを蒸しタオルで温めたり、ストレッチやマッサージをすると血行が良くなり、筋肉の緊張がほぐれるので効果的です。
夏の冷房などで肩や首を冷やさないように、ストールやカーディガンなどの上着を用意しましょう。
長時間のデスクワークをされる方は同じ姿勢を続けないように、適度に休憩を入れましょう。オフィスで出来るストレッチも有効です。
ストレスをため込まないように普段の生活を見直しましょう。
舟久保 恵美
慶應義塾大学医学部神経内科非常勤講師/医学博士/保健師/健康気象アドバイザー
名古屋大学環境医学研究所にて、天気と痛みの関係について研究し、医学博士号を取得。
日本で唯一の低気圧頭痛を専門にする産業保健師(現在、内田洋行グループ企業の従業員の健康管理を行っている)。
頭痛の分類として、脳や頭部の病気の症状として出てくる頭痛(二次性頭痛)と他に病気が隠れていなく、頭痛を繰り返す慢性的な頭痛(一次性頭痛)の2つに大きく分けられます。
二次性頭痛の原因の中には、くも膜下出血のような「見逃されると死につながる頭痛」が含まれているので、いつもと違う症状があらわれたら、なるべく早目に病院で受診しましょう。
【参考サイト・文献】
■きょうの健康『3つの頭痛 最善の対策「片頭痛」』NHK健康ホームページ(2017年8月現在)
■第42回 日本頭痛学会総会 市民公開講座 講演記録
■日本神経学会・日本頭痛学会 監修 『慢性頭痛の診療ガイドライン2013』
■日本頭痛学会・国際頭痛分類委員会 訳 (2014)『国際頭痛分類第3版beta版』
■日本頭痛学会HP
ズキンズキンと脈を打つような痛みが特徴の片頭痛は、様々な誘発要因によって引き起こされます。
痛みの原因や片頭痛が起きた時の対策や予防法などについて、舟久保恵美先生に解説していただきます。
片頭痛の原因は明らかになっていませんが、季節の変わり目や普段の生活の中での温度変化は頭痛の誘発要因とされています。
主に片頭痛は女性20代~40代に多く見られ、生理の前後に片頭痛で悩まされる女性が少なくありません。
またストレスを受けている状態は、血管は収縮している状態になりますが、緊張から解放された時は、急に血管が拡張することによって片頭痛が起こるとされています。
誘発要因として、月経や排卵・産後・更年期などの女性特有のもがあるほか、空腹やアルコール摂取後、寝不足や寝すぎ、強い光やにおい、天候・温度・気圧・湿度の変化なども関係があります。
個人やその人の状況によって異なります。
頭痛の種類によって、正しい対処法、間違った対処法があるのをご存知でしょうか。
詳しく解説して頂きます。
片頭痛(痛みのある時) | 緊張型頭痛 | |
耳マッサージ | 〇 | 〇 |
整骨院・鍼灸 | × | 〇 |
冷やす | 〇 | × |
温める | × | 〇 |
運動 | × | 〇 |
お酒 | × | 〇 |
カフェイン | △ | 〇 |
光を避ける | 〇 | 〇 |
耳せん | 〇 | 〇 |
アロマ | × | 〇 |
食事をとる | 〇 | 〇 |
内耳にセンサーがあると考えられていますので、耳の周囲の血流を良くする事で、どの頭痛にも良いと思います。
気圧が下がってきたなと感じるときには、やっておくといいと思います。
片頭痛は、血流がよくなることで誘発されるおそれがあります。
マッサージや鍼灸をして血流が良くなると、それで頭痛がひどくなることがあります。
ズキズキしていない時、頭痛の予兆や前兆のない時に、日常的にこりを解消してあげるために行くといいでしょう。
痛い場所は、人それぞれ違うと思います。冷やして気持ちいいと思える場所を冷やしてください。
片頭痛は、血流がよくなることで悪化してしまうおそれがあります。
痛みのあるときは、温めるより冷やす、浴槽につかるより、シャワー程度にした方が良いと思います。
軽い体操で血流が良くなると、頭痛が悪化する場合があります。頭痛発作が起きた時は、なるべく静かで暗いところで休み、痛むところを冷やす方が良いです。
ただ、軽い運動は片頭痛予防にもなるので、痛みのない時に日常的なケアとして行うことをおすすめします。
少量のお酒はリラックス効果もあるのですが、頭痛の前兆のある時や、気圧が下がっている時などは、血流が良くなることでと痛みが増してしまうおそれがあります。片頭痛の方は気を付けたほうが良いです。
また、赤ワインに含まれるポリフェノールが頭痛を誘発されるおそれがあるので、選ぶお酒の種類にも注意が必要です。
お酒には利尿作用があり、脱水により頭痛が起こることもありますので、たくさん水を飲むようにしましょう。
片頭痛については、カフェインで良くなる人もいれば、悪くなる人もいます。
カフェインは血流を良くするので、過剰には取らないほうが良いと思います。
片頭痛が悪化する場合もありますが、その反面で、血管収縮作用もあるので、片頭痛がよくなる人もいます。
ご自身の症状に合わせて、過剰に摂りすぎることのないように気をつけましょう
また、利尿作用があるので体が水分不足になる可能性があります。
熱中症の時も同じで、体から水分が少なくなると頭痛が起きやすくなります。
リラックスできるくらいの量におさえた方が良いでしょう。
片頭痛の方は明るい光が頭痛を誘発、また増悪する要因にもなります。
サングラスをかけたり、部屋の明かりを柔らかい暖色系の明かりにすると軽減されるという方も多いです。
片頭痛が起きているときには、暗く静かな部屋で休むようにしましょう。
飛行機に乗るときにしておくと、耳への気圧の変化が緩やかになるという効果はあります。
普段の生活の中でエレベーターに乗って気圧差を感じる方もいるので、気になる時にはつける、というふうにお守り程度に持っておくと安心かと思います。
リラックス効果としては、ご自分の好きな香りなら良いと思います。
ただ、片頭痛は匂い過敏という症状があり、ちょっとした香りでも頭痛を誘発する恐れもあります。痛みの起こりそうなときや頭痛が起こっているときには、避けるほうがよいでしょう。
柔軟剤や化粧品・香水売り場が苦手な方もいます。
ローズ系とか、ムスク系よりも柑橘系なら大丈夫という方は多いですが、個人差が大きいので、周りに配慮し、体調と相談しながら、上手に活用してください。。
お腹が空くと血糖値が下がり、片頭痛が起こる方は結構多いです。
自分がそのタイプだと気が付くことが大事ですね。
頭痛に良い食べ物としては、マグネシウムや亜鉛が入っている海藻類などがおすすめです。
片頭痛を誘発しやすい食べ物としてはチョコレート、赤ワインなどのポリフェノールが含まれているもの、またチーズで頭痛を起こす方もいます。
片頭痛の方は、先ほどもご説明したように、いろんな要因で頭痛を誘発するおそれがあります。
痛くなったら静かな暗いところで安静にして、痛みのあるところを冷やしましょう。
階段の昇り降りだけでも、ズキズキしてしまいます。
無理に体を動かしたり、血行が良くなるような行動は控えましょう。
また日頃から食事を改善するのも良いでしょう。
マグネシウム・・・玄米・納豆・ヒジキ等に多く含まれ、神経細胞の機能を調整する作用があります。
ビタミンB2・・・牛・豚のレバー・卵黄等に含まれ、マグネシウムと同じように神経細胞の機能を調整する働きがあります
頭痛がない時には、軽く体を動かしたり、またストレスをためないようリラックス出来るにしましょう。
これらに気を付けて頂くこと、またどんな時に痛みが出るのかを把握することが大切です。
小まめに自分の体調や、天気・気圧の状況などを記録しておくことも大切です。
舟久保 恵美
慶應義塾大学医学部神経内科非常勤講師/医学博士/保健師/健康気象アドバイザー
名古屋大学環境医学研究所にて、天気と痛みの関係について研究し、医学博士号を取得。
日本で唯一の低気圧頭痛を専門にする産業保健師(現在、内田洋行グループ企業の従業員の健康管理を行っている)。
季節の変わり目は寒暖差や気圧の変化が起こりやすい時期です。気圧が下がったり上がったりすると、内耳にある気圧センサーが脳に気圧の変化を伝え、その情報に対して自律神経が反応して、様々なストレス反応がおこります。
気圧変化によって自律神経のうち交感神経が刺激されます。
自律神経には交感神経と副交感神経の2つがあり、交感神経は心身を緊張させる方向へ作用する神経です。
交感神経の興奮は、慢性痛を増強させる効果があります。
もともと持っていた痛みの症状が悪化するのです。
こうした経緯で気象変化によって身体への不調があらわれます。
本来、人間の身体は暑い・寒いなど外部環境の変化によるストレスにある程度耐えられるようになっています。そのバランスを司るのが自律神経です。その自律神経を正常に作用させるには、暑い場所なら汗をかくことが必要です。しかし、空調が完備された環境で暮らしていたり、夜更かしで睡眠のリズムが乱れたりしていると、自律神経が整いにくくなってしまいます。
その結果、気象の変化についていけない身体になってしまうのです。
気象の変化による不調を緩和するには、頭痛―るなどの天気予報アプリで事前に症状が出そうな時期を知って備えておくとよいでしょう。自分がどの頭痛のタイプか知り、症状に合わせたケアをするようにしましょう。あなたの頭痛タイプ診断を活用してみてください。
片頭痛の場合だと、肩が急に重くなるとか、あくびが出るとか前兆が起こるのでそのタイミングで薬を飲むと、頭痛の大きい噴火を小さい噴火で抑えられます。
緊張型頭痛の場合は、頭痛薬を飲むよりも、身体を動かすほうが良いです。
座ってずっと同じ姿勢で仕事をしていることで痛くなってくるので、5分でも10分でもいいので身体を動かしましょう。
温めることもおすすめです。薬に頼り過ぎず、頭痛を未然に防ぐということも重要です。
また「今日は頭が痛くなるかもしれない」と心がまえをしておくと安心感にもつながります。日本人は痛みを我慢する傾向があるで、痛くなったら我慢しないで薬を飲んだり、身体を休めることも大切です。
しかし、痛くなるのが怖いからといって、頭が痛くなる前に薬を飲むことが習慣化し、ラムネのように薬をたくさん飲んでしまう、「薬物乱用頭痛」が大変問題になっています。ひと月に15錠以上の薬を飲んでいる場合は要注意です。
心配な場合は、かかりつけ医、頭痛の専門医に相談してみましょう。
慢性頭痛患者の多くは、医療機関を受診せずに、薬局で買った薬で対処しているのが現状だそうです。
頭痛ぐらいで医療機関を受診するのは躊躇するという人もいるかと思いますが、頭痛は怖い病気のサインの場合もありますので、まずは医療機関を受診してみましょう。
自己判断ではなく、正しい判断と適切な治療を受けることで頭痛の回数や頻度が減り、驚くほど生活の質が改善されるようになります。
医療機関を受診する前に、いつから症状が続いているのか、自分の頭痛の起こりやすいパターンなどを記録しておくと、問診で医師に伝わりやすくなります。ぜひ頭痛ーるアプリを記録の際に活用してみてください。
舟久保 恵美
慶應義塾大学医学部神経内科非常勤講師/医学博士/保健師/健康気象アドバイザー
名古屋大学環境医学研究所にて、天気と痛みの関係について研究し、医学博士号を取得。
日本で唯一の低気圧頭痛を専門にする産業保健師(現在、内田洋行グループ企業の従業員の健康管理を行っている)。